次の日、ユウが病室に入った時、シエルは1人でいた。
「シエルさん、ヤヨイは?」
「僕が今日来た時にはいなかったよ。こっちの世界に戻ってきてから、ヤヨイの行動が掴めないね。何を思いどこで何をしているんだろうね。君は何か聞いているかい?」
「いえ、何も。」
「ただ、あの時、もしかしたら下庭人と接触していたかもしれません。急に叫び声が聞こえたから、きっと何かあったんでしょうけど、おそらくゲートのことで。」
「そうだね。ゲートのことは僕達も突き止める必要がある。ヤヨイに何を聞いても教えてくれないなら方法は2つ。ヤヨイは別に僕達独自に調査をするか、もしくはヤヨイをつけ、あくまでも共に行動することを交渉するかだ」
「ヤヨイが俺たちに教えてくれる気配はありません。きっと、ゲートの問題を、ヤヨイ個人の問題として考えているから。だから、俺たちは俺たちで調査を進めようと思います。」
「そうか、じゃあカイ君も稽古には引き続き参加させるよ。基本は君達と行動を共にさせよう。カイ君は飲み込みが早いから、うまく教えてやっておくれ。そして彼は今現在ヤヨイの心に1番近づける存在だ。仲良するんだよ。」
「、、、はい。分かりました。」
場所は変わり。
「やぁ、元気だったかい?ヤヨイ」
「なにか、、思い出せたことはあったかな?」
「私は、無数の下庭人の死体の上に立っていた。私は1人だった。」
「ほう。そうか。その映像に見間違いはないかな?」
「、、、。」
「本当に、「下庭人」の死体だったかな?」
「何が言いたいの?」
「君の運命の話だよ、君のあり得た運命。それはきっと、下庭人ではなかったかもしれないよ?」
「、、、。」
「君は誰だ?どこの所属だ?使命はなんだ?この世界の悪者は誰だ?私は君に協力したいんだ」
「、、、。」
「ゲートは下庭にいるよ」